2025.04.25
「痛み」って何? ④・⑤
④痛みが生きる目標やモチベーションになっている「痛み」
このタイプの「痛み」には、はっきりとした原因や相手(加害者)が存在します。
そして、その“相手”に対する怒りや恨みを抱き続けることが、生きていくモチベーション(動機)や生きがいになってしまっている場合です。
もしこの「痛み」がなくなってしまえば、「加害者」を恨む理由もなくなってしまう。そのため、無意識のうちに痛みを手放せなくなってしまうことがあります。さらに、その「痛み」によって何かしらの利益(たとえば補償金など)が発生している場合には、より一層、痛みを持ち続けてしまう傾向も見られます。
⑤苦労や悩みから解放されたことで生じる「痛み」
このタイプでは、心の中にある“親”(=自分を律する存在)が、「こんなに楽になっていいわけがない」とブレーキをかけてきます。長年、苦しみや悩みに耐えてきた方ほど、「楽になること」を容易に許さないのです。
「私は、苦労してこそ自分らしい」
「困難を乗り越えてこそ、価値がある」
そんな思いが知らず知らずのうちに根づいていて、ようやく自由になったタイミングで―たとえば、定年後や子育てが終わったあと、嫁姑問題が一段落したときなど―
突然、「痛み」が現れてしまう。そんなケースもあるのです。
「痛み」は、意味があってそこにある
ここまで①~⑤すべて読んでいただいた方、ありがとうございます。これまで紹介してきた①〜⑤のタイプに共通しているのは、どの「痛み」も、何らかの意味や理由があって存在しているということです。
なかには、「痛みがあることのほうが自分にとって都合がいい(と無意識に思っている)」というケースもあります。
「これって鍼灸じゃなくて心療内科の領域では?」
そんなふうに思われる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、鍼灸治療では、施術時間の中でじっくりお話を伺いながら、患者さんと一緒にその“根っこ”を探していくことができます。そしてなにより、つらい症状を和らげることに関して、鍼灸はとても得意な療法です。
当院の鍼灸は、「中医学(中国伝統医学)」をベースにしています。
そのため、問診も丁寧で深く、症状の背景にある心や体のバランスにも目を向けます。
「こんな話してもいいのかな?」ということでも、まずはお気軽にお話しください。きっと、あなたの「痛み」と向き合い、幸せへの一歩を踏み出すお手伝いができると信じています。